臓器再生医療には立体的な臓器の原器(器官芽)を作成することが有用な手法であると報告され注目を集めている。本研究もTakebeらの既報と同様の手法を用いて胎盤器官芽を作成した。この手法が発表されてから、肝臓、腎臓、腸管、肺、心臓、脳など各種臓器の器官芽を用いた研究が報告されてきたが、胎盤での報告例はない。本研究で作成した胎盤器官芽は汎用性・再現性のある、より生体に近い機能的な胎盤組織培養系としても使用できる。胎盤機能再生にとどまらず、病因の解明や新規薬剤の開発にも応用できるなど、胎盤を対象とした研究が飛躍的に進むことが期待される革新的な研究であると考えられる。
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