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2019 年度 実施状況報告書

RNAレプリコンによる遺伝子治療を実現する高分子ミセル型ナノキャリアの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K23614
研究機関地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所

研究代表者

宮崎 拓也  地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所, 「貼るだけ人工膵臓」プロジェクト, 研究員(任期有) (80844779)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2021-03-31
キーワード核酸医薬 / RNAレプリコン / ブロック共重合体 / 高分子ミセル / 遺伝子治療
研究実績の概要

RNAレプリコン単体を用いた遺伝子治療は、生体内での治療用タンパク質の産出に関して有効性を示さなかったが、これは生体内のRNA分解酵素によりRNAレプリコンが分解されるためであると考えられている。本研究では、全身投与でRNAレプリコンを効率的に送達できる高分子ミセル型ナノキャリアを開発することで、難治性疾患に対する遺伝子治療を奏功させることを目指す。RNAレプリコンの送達効率を最大限に高める方法を確立するために、RNAレプリコンを高分子ミセルに内包してミセルのコア形成鎖である柔軟性ポリカチオン鎖との結合力を高め、RNA分解酵素の障壁を突破し機能させる方法を検証した。2019年度には高分子ミセルのビルディングブロックであるカチオン性ブロック共重合体の合成とRNAレプリコン内包高分子ミセルの調製を予定していた。ポリマーの合成については申請者の開発した従来法を改良することにより収率の高い新規合成法が開発された。また、RNAレプリコン内包高分子ミセルの調製についてはポリマーとRNAレプリコンの混合比を最適化することにより表面電位の中和されたナノ粒子の調製に成功した。さらに、2019年度に予定していた当初の計画以上に進展していることから、2020年度の前半に予定していた培養細胞を用いた評価に着手した。レポータータンパク質を翻訳するRNAレプリコンを高分子ミセルに内包し培養細胞に添加したところ、従来のmRNAよりも持続的かつ効率的な遺伝子発現効率が確認された。以上より、RNAレプリコン内包高分子ミセルに関する基盤技術が確立されたことから、2020年度に予定している培養細胞を用いた評価および実験動物を用いた評価についても当初の計画通りに進展することが期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

2019年度においては実験項目(A)カチオン性ブロック共重合体の化学合成、(B)RNAレプリコン内包高分子ミセルの調製、の実施を予定していたが、実験項目におけるマイルストーンが達成されたことから、実験項目(C)の培養細胞を用いた評価に取り組んでおり当初の計画以上に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

2019年度においては当初の計画以上の進捗が得られた一方で、2020年度前半においてはコロナウイルスへの対応が求められることから、研究計画を変更することなく当初の計画通り培養細胞を用いた評価と実験動物を用いた評価を進め、マイルストーンの達成を目指す。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Polymeric Nanocarriers with Controlled Chain Flexibility Boost mRNA Delivery In Vivo through Enhanced Structural Fastening2020

    • 著者名/発表者名
      Takuya Miyazaki, Satoshi Uchida, Satoru Nagatoishi, Kyoko Koji, Taehun Hong, Shigeto Fukushima, Kouhei Tsumoto, Kazuhiko Ishihara, Kazunori Kataoka, Horacio Cabral
    • 雑誌名

      Advanced Healthcare Materials

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [学会発表] Development of polymeric micelles for mRNA delivery through stable complexation with flexible block ionomers2020

    • 著者名/発表者名
      Takuya Miyazaki, Satoshi Uchida, Horacio Cabral
    • 学会等名
      1st French-Japanese Symposium on Polymer Science
    • 国際学会
  • [学会発表] 妊娠期の化学療法に向けた高分子ミセルのサイズ制御2020

    • 著者名/発表者名
      宮崎拓也、鈴木研資、永松健、片岡一則、カブラルオラシオ
    • 学会等名
      第69回高分子学会年次大会
  • [学会発表] Strong interactions between detachable tryptophan and mRNA enhance the stability and the biodegradability of polyion complex micelles aimed to in situ production of therapeutic proteins2020

    • 著者名/発表者名
      Takuya Miyazaki, Satoshi Uchida, Horacio Cabral
    • 学会等名
      Controlled Release Society Virtual Annual Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] 柔軟なポリエーテル骨格ポリカチオンによるmRNA内包高分子ミセルの安定化2020

    • 著者名/発表者名
      宮崎拓也、内田智士、片岡一則、カブラルオラシオ
    • 学会等名
      第66回高分子研究発表会
  • [学会発表] 妊娠期の化学療法に向けたナノ医薬の開発2019

    • 著者名/発表者名
      宮崎拓也
    • 学会等名
      第26回次世代医工学研究会

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公開日: 2021-01-27  

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