研究課題
RNAレプリコンは、自己複製により持続的に治療用タンパク質を産生することから、核酸医薬としての応用が期待されている。その一方で、酵素分解などが課題として残されている。そこで本研究は、柔軟性ポリエーテルを用いたRNAレプリコン内包高分子ミセルの創製を目的とした。具体的には、ポリマーの側鎖構造にRNAと強く相互作用する機能性アミノ酸を導入し、ミセル構造の安定化による酵素耐性の向上を図った。本年度は以下の3つの項目:1)mRNA内包ミセルの調製および機能性アミノ酸のスクリーニング、2)選定した高機能ポリマーによるRNAレプリコン内包ミセルの調製、3)ミセルのin vitro機能評価を行った。1)に関して、ロイシン・トリプトファン・チロシン・グリシンを導入したポリマーを用いてmRNA内包ミセルを構築した。その結果、粒径約60nmのナノ粒子を調製できること、ポリアニオンに対する安定性を向上できること、RNA分解酵素に対する安定性を向上できること、および培養細胞にmRNAを導入できることを明らかにした。2)に関して、トリプトファンを導入したポリマーを用いてRNAレプリコン内包ミセルを作製し、その粒径および粒径分布を制御する手法を確立した。3)に関して、ミセル化により培養細胞への導入効率が向上し、従来のmRNA内包ミセルよりも優れた持続性を示すことを確認した。よって、RNAレプリコン内包ミセルの基盤を確立するとともに、生体内で治療用タンパク質を産生できる可能性を見出した。
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