研究課題/領域番号 |
19K23616
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
孫 文旭 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 流動研究員 (40834065)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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キーワード | 磁場強度の距離依存性 / 一次微分型SQUID / 観測高度 / 心磁場 |
研究実績の概要 |
本研究は、心磁図が持つ特性である媒質の影響を受けずに高感度かつ局所情報を提供できることや非接触の状態で計測できるという利点を生かし、より高精度で簡便な起源部位同定法を開発することにより、心筋焼灼治療の成績向上に寄与するものである。従来は、電流源の深さの推定精度は高く言えない。本研究では、正面と背面の心磁場を利用して、信号源の深さを正確に推定する方法を開発した。1.磁場強度は距離依存性(距離の二乗に反比例する)があるため、正面と背面の距離情報を考慮すれば、信号源を存在する平面の位置を計算できる。しかし、心磁図の磁気センサである一次微分型SQUID(超伝導量子干渉素子)のベースラインによる影響があるため、計測された心臓磁場は距離の二乗に反比例しない。そこで、体表面より距離を変えながら心磁場を計測し、パラメーター観測高度hの導入により、体の外部の磁場減衰特性を求めた。2.また、複数電流ダイポールを用いたシミュレーションを行い、体表面の正面及び背面の磁場強度より信号源を存在する平面の位置を導出した。最適観測高度の導入と両面データの利用により、信号源が存在する平面の推定方法を確立した。実データとシミュレーションの結果より、最適観測高度は6 cm ということが分かった。また、信号源が存在する平面に電流密度分布を求め、信号源の位置情報を三次元可視化できる。さらに、起源部位の同定だけではなく、心臓の脱分極過程における興奮伝播経路も三次元可視化できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
信号源が存在する平面の推定方法を確立した。
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今後の研究の推進方策 |
信号源が存在する平面の推定方法を確立したため、これからは、その平面の投影法、あるいは推定法を確立し、三次元位置を求める。また、臨床データを解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
最初年度は信号解析ソフトを選択するため、試用版を使った。次年度は信号解析及び磁場解析ソフト購入する予定です。
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