本採択研究では、高い結晶性を持ちながら、分子やその一部が結晶中で高速な回転運動を示すアンフィダイナミック結晶に光機能性を付与する設計技術の開発を目指した。主に発光性金(I)錯体を基本骨格として導入し、回転部位にダイポールを付与するなどの分子設計を行い、興味深いことに、その結晶中の回転部位の運動性の変化に応じて、固体の発光性やマクロな結晶外形が変形するなど新規な物性が発現された。また、豊富な化合物ライブラリーを持つNHC金属錯体からなる新規な発光性アンフィダイナミック結晶を見出すことに成功し、既存の報告例では困難だった回転運動の合理的な制御が可能になった。
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