研究成果の概要 |
本研究では芳香族性・反芳香族性と電子スピンとの関係に着目し、反芳香族-ラジカルハイブリッド化合物の合成・物性解明を目的に研究を行ってきた。本研究を通じて、分子内に芳香族性・反芳香族の複数の共役サーキットを有する新しい安定ラジカルであるcyclohepta[3,2,1-jk:4,5,6-j’k’]difluoren-7-yl誘導体を発見した。この化合物は非交互炭化水素であるシクロペンタジエニル、トロポン、アズレンといった部分構造からなり、5,6,7員環が高度に縮環した興味深い構造を有しており、複数の安定な酸化還元状態を取ることから、誘導化やさらなる展開が期待される。
|