研究課題
研究活動スタート支援
表面反応メカニズムの詳細を理解するには、物質表面に吸着した分子の局所構造を直接観測できることが理想的であるが、従来の遠視野による観測では、空間分解能が光の波長程度に制限されてしまう。そこで本研究では、金属表面に吸着した水素原子をモデル系として、近接場光を利用した高感度かつ高空間分解能な新規顕微分光法の開発を目的として研究を行った。その結果、近接場分光の光学系の構築に成功し、探針直下の信号を捉えることにも成功した。
化学物理
本研究で行った測定手法の開発は、吸着分子のミクロな局所構造を観測し、それがマクロな反応性とどのように関わっているのかを理解するための基礎的な観測手段を与えるものとなりうる。表面反応メカニズムの詳細を理解できるようになれば、物質表面のミクロな構造を制御することで、反応の選択制や活性を高める新しいタイプの触媒の設計指針を与えることにもつながると期待される。