本研究では、グラム陰性細菌の細胞外膜より形成・分泌される膜小胞(outer membrane vesicle, OMV)に着目し、OMVの形成に関与する候補タンパク質を見出した。 窒素固定細菌Azotobacter vinelandiiのOMVに多量に内包されるタンパク質として、S-layerタンパク質様機能不明分子と鞭毛繊維タンパク質FliCホモログを特定し、当該遺伝子破壊株の性状解析より各々細胞膜の形成とOMVの産生に関わることを示唆した。OMV内包タンパク質のプロテオーム解析により、640種のタンパク質を同定し、OMVへのタンパク質輸送機構やOMVの生理活性を予測する手がかりを得た。
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