植物ウイルスの多くは昆虫によって媒介され、様々な植物に病気を引き起こす。イネ科作物に黄萎病を引き起こす黄萎ウイルス群 (YDVs) は、アブラムシを介してコムギやオオムギなどのムギ類に感染し、世界で最も深刻な経済被害をもたらす植物ウイルスの一つである。しかしながら、発見から60年以上が経った今でも有効な防除法が見つかっておらず、YDVに対する新規防除法の確立は農業上の喫緊の課題である。本研究では、新規ムギ類モデル植物であるミナトカモジグサを用いてYDV-植物-媒介昆虫の三者間相互作用における分子基盤を解明すべく病徴誘導メカニズムについて解析を行った。
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