研究課題/領域番号 |
19K23682
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
阪井 裕太郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (30849287)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
キーワード | コミュニティーベース管理 |
研究実績の概要 |
本年度は主に3つの活動を行った。①データセットの入手と整理、②歴史的資料の入手と読み込み、③現地調査である。 データセットの入手と整理については、北海道水産研究所との共同研究契約を結び、当該研究所が管理している漁獲報告成績書のデータを入手した。このデータセットは極めてサイズが大きく、また多くの変数を含んでいる。そこでまずは各変数の記述統計やグラフを作成し、異常値の特定や定義の変更などをチェックした。その過程で、北水研の担当者と何度もやり取りをし、データに対する理解を深めた。 歴史的資料の入手と読み込みについては、北海道機船漁業協同組合連合会の記念誌(10年史、20年史、25年史、40年史、50年史)、室蘭港中型機船底曳網漁業、室蘭沖合底曳網漁業、底曳漁業制度沿革史、北海道漁連史、などの入手と読み込みを行った。また学術文献についても網羅的に読み込みを行った。ファインディングの一つは、200カイリが導入された1970年代後半までは、室蘭地区の沖底漁業は衰退地区として記述されていることである。現在では室蘭は最も沖底漁業が成功している地域の一つであり、この歴史的な変化を解き明かすことが重要な課題であると言える。 現地調査については、当年2月に札幌の北海道機船漁業協同組合連合会、室蘭の機船漁業協同組合、日高の中央漁業協同組合を訪問し、聞き取り調査を実施した。これらの調査により、直近の課題や漁業の状態を確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分析に使用するデータセットの入手と整理、歴史資料の入手と読み込み、現地調査を実施できたことから、本研究はおおむね順調に進展していると言える。ただし、当初予定では3-4月にさらなら現地調査を行う予定であったが、コロナウイルスの影響で実現できていない。流行終息後すみやかに現地調査の続きを行う予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
7月までに、室蘭地区の沖合底曳網漁業の歴史と現状をまとめた論考をまとめ、国際雑誌のMarine Policyに投稿する予定である。
8-9月に集中的に現地調査を行い、最新のデータの入手を行う。
10月以降は沖合底曳網漁業の理論モデルの構築と計量分析を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス流行により、現地調査が予定よりもできなかった。 流行終息後に現地調査を行う。
|