研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、水温を指標とした水田地域における複数の流出経路からの還元水量の推定を目的として現地観測を実施した。その結果、水田内の観測では畦畔の地温の日較差は水田への取水後、逓減する傾向が見られ、畦畔からの浸透水は水田湛水温の涵養の影響を受けて変動することが示唆された。また、小排水路における観測では水田の作付状況の違いによる水田からの排水の有無は農区規模の小排水路において水温形成に影響を及ぼしていることが明らかになった。
農業農村工学
本研究により、還元水量の推定には適用条件として連続干天期間が望ましいことや、水田の作付状況の違いによる水田からの排水の有無が小排水路の水温変化に影響を与えていることから作付状況を考慮する必要があることが示された。今後継続して観測を実施し、還元水量を推定するモデルを確立することにより、水位・水温観測のみで既存の流量観測よりも簡易かつ広域に流出経路ごとの還元水量の把握が可能となる。