本研究では、黄斑ディストロフィーの病態解明を目的に実験を行い、光障害に対する視細胞のストレス応答反応におけるライソゾームの重要性について明らかにした。ライソゾームは細胞が取り込んだ物質の消化に関わるのみならず、mTOR経路などを介して、細胞の代謝全体に重要な細胞内小器官である。また、ライソゾームの異常は特に神経変性疾患との関わりがよく知られており、本研究で明らかになった知見は、眼科領域だけでなく、脳や神経の分野において広く貢献できると考えられる。黄斑ディストロフィーは現時点では根治療法がないため、研究成果を更に発展させることにより新たな治療法開発への応用が期待される。
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