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2020 年度 実施状況報告書

植物の細胞内輸送機構を支える分子基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K23723
研究機関名古屋大学

研究代表者

山田 萌恵  名古屋大学, 理学研究科, 助教 (80848391)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2022-03-31
キーワード微小管 / キネシン
研究実績の概要

細胞内輸送はアクチンや微小管といった細胞骨格と細胞骨格に付随するモータータンパク質によって駆動される細胞機能の維持に必須な物質輸送機構である。小胞やオルガネラ、タンパク質、RNA等がカーゴ(積荷)として輸送されることが知られており、輸送モーターがカーゴに付属した特異的なアダプタータンパク質を認識して結合することで、精密に制御された物質輸送が可能となる。しかし、その生理的な重要性に関わらず、植物の微小管依存的な細胞内輸送の分子機構には未解明な部分が多い。そこで、遺伝学的ツールの利用が可能であり、顕微鏡観察に適した細胞を持つ基部陸上植物ヒメツリガネゴケ(Physcomitrium patens)を用いて研究を行った。本研究では1)輸送モーターに認識されるアダプタータンパク質の探索、2)輸送モーターとアダプタータンパク質を繋ぐKLC(kinesin light chain)の機能解析、3)順行性輸送モーターの同定、の3点を目指した。
2019年度は、ヒメツリガネゴケに存在する既知の輸送モーターであるKCBP(VI型kinesin-14)のドメイン解析を行い、輸送に必要となるドメインの同定を目指した。その結果、FERMドメイン、MyTH4ドメインを欠失したコンストラクトではKCBP KO株の表現型がレスキューされないことを見出した。この結果は、FERMドメイン、MyTH4ドメイン両方がKCBPキネシンの輸送機能に重要であることを示唆している (Yoshida et al., Cell Struct Function.)。現在は、この結果をもとにスクリーニング系の立ち上げを行っており、アダプタータンパク質の探索を継続中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2020年4月から5月にかけて、新型コロナウイルス感染拡大防止を目的として、大学で研究環境の制限が設けられたため研究時間を大幅に削減せざるを得ず、ほとんど実験が実施できなかった。その後、5月末から1月中頃まで出産休暇と育児休暇を取得し、研究を約7ヶ月中断した。そのため、本年度はほとんど研究テーマの進捗が得られなかった。

今後の研究の推進方策

産休育休取得による研究期間の延長を申請したため、当初より1年遅れで研究計画を遂行する予定である。具体的には、本年度はドメイン解析の結果をもとにアダプタータンパク質の探索を続けると同時に、進行中のKLC (kinesin light chain)の機能解析実験を継続する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス対策による研究環境の制限により、消耗品にかかる費用が当初予定していたより少なかったため未使用額が生じた。また、出産休暇と育児休暇を取得したことにより研究中断期間が生じたため、未使用額が生じた。産休育休取得による研究期間の延長を申請したため、当初より1年遅れで研究計画を遂行する予定であり、未使用額も1年遅れで使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 植物の微小管依存的な細胞内輸送機構2020

    • 著者名/発表者名
      山田 萌恵
    • 雑誌名

      植物科学の最前線

      巻: 11 ページ: 143~149

    • DOI

      10.24480/bsj-review.11b4.00186

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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