研究課題
減数分裂は、精子や卵子等の生殖細胞の形成に必須であり、この過程に異常が生じると、染色体異常が生じ、不妊や個体の致死、ダウン症などの染色体異常疾患 を引き起こす。減数分裂過程で生じる異常の原因は、1DNA配列依存的な異常と2それに依存しないエピジェネティックな異常に大別され、これまでの当該分野 における研究は主に遺伝学的見地から1に注目したものがほとんどであり、2に関して詳細に調べた例は殆どない。本研究では、エピジェネティックな観点から 減数分裂過程における染色体の構造変換のダイナミクスを明らかにし、その構造変換を制御する因子を特定することを目指し、以下の課題を中心に研究を実施し た。【高次クロマチンの「再構築」系の確立】本研究では、減数分裂におけるエピジェネティックな染色体構造変換に関与する高次クロマチン制御メカニズムの解明 を目指しているが、高次クロマチン形成がどのように起こるのか不明な点が多く残されている。まず、エピジェネティックな染色体構造変換に関与する高次クロ マチン形成・維持のメカニズムを詳細に検証する為、ユニークな遺伝子増幅・維持機構を持つ出芽酵母のリボソームRNA遺伝子領域を利用して、その 領域に高次クロマチン形成へ関わる分裂酵母の遺伝子を組み込み、それらを酵母内で再構築する系を構築した。当該年度は、昨年度に引き続き、その構築した系を用いて、高次クロマチンの再構築を試みた。いくつかの高次クロマチン形成に関与する遺伝子を異種酵母内で発現させ、高次クロマチンを再構築できるか検証した。
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Nature
巻: 628 ページ: 212, 220
10.1038/s41586-024-07196-4