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2020 年度 実施状況報告書

イチヤクソウ亜科で生じた菌従属栄養性進化の定量的な追跡

研究課題

研究課題/領域番号 19K23762
研究機関北海道大学

研究代表者

首藤 光太郎  北海道大学, 総合博物館, 助教 (60803723)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2022-03-31
キーワードイチヤクソウ亜科 / 菌従属栄養植物 / 進化 / 分類
研究実績の概要

昨年度は審査結果の開示から降雪までに十分な時間がなかったため,研究対象に適したイチヤクソウ亜科の集団の探索を重視した。今年度はこれらの成果に基づき北海道・東北地方・関東地方で形態調査およびサンプリングを行う予定であったが,新型コロナウイルス感染拡大の影響で,満足な野外調査を行うことができなかった。本研究は広範囲での野外調査が必要なテーマであることから,この影響でその後に予定していた安定同位体比分析や学会発表も行うことができていない。
一方で,イチヤクソウ種複合体に含まれるヒトツバイチヤクソウのタイプ標本およびその採集地に関する報文を執筆・投稿した。本種は葉が鱗片状に縮小し,高い菌従属栄養性を有している。このような種はイチヤクソウ亜科の中では珍しく,本研究を進める上で極めて重要であるが,通常の緑葉をもつ近縁なイチヤクソウとの間に連続的な形態変異が見られるため,分類が混乱していた。分類の混乱は本研究にも影響を及ぼすため,申請者は大学院生時代からその整理に取り組んできた。タイプ標本をはじめとした分類の整理は,本研究の基盤となるものであり,先行して発表していくことが望ましいと思われる。
また,イチヤクソウとヒトツバイチヤクソウの菌根菌相を比較した報文(共著)が受理・出版された。菌根菌相は,植物の菌従属栄養性の進化と関わる重要な要素と考えられており,本研究の結果を理解する上で本報は重要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染拡大の影響で満足な野外調査を行うことができなかった。野外調査を重視した研究テーマであるため,この影響によりすべての進捗に遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

上記の理由により進行が行われているが,今年度は感染拡大に配慮して現地調査を行うことができる見込みである。コロナウイルスの感染拡大状況によっては北海道内のみで行うこととなる可能性もあるが,基本的には研究内容に変更はない。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染拡大の影響により,野外調査および学会発表を予定通り行うことができなかった。研究内容に大きな変更はないため,残額は今年度の旅費にそのまま充てる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [国際共同研究] ロシア科学アカデミーコマロフ植物研究所(ロシア連邦)

    • 国名
      ロシア連邦
    • 外国機関名
      ロシア科学アカデミーコマロフ植物研究所
  • [雑誌論文] Mycorrhizal communities of two closely related species, Pyrola subaphylla and P. japonica, with contrasting degrees of mycoheterotrophy in a sympatric habitat2020

    • 著者名/発表者名
      Suetsugu Kenji、Matsuoka Shunsuke、Shutoh Kohtaroh、Okada Hidehito、Taketomi Shintaro、Onimaru Kaede、Tanabe Akifumi S.、Yamanaka Hiroki
    • 雑誌名

      Mycorrhiza

      巻: 31 ページ: 219~229

    • DOI

      10.1007/s00572-020-01002-5

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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