本課題は脊椎動物でもっとも原始的な分類群である魚類の向社会性の生理基盤、認知基盤の解明を向社会的選択課題PCTを用いて解明を目指すものである。採択後、本課題であるPCTにおける選択個体の行動解析を行った。特に着目したのは向社会的選択時の実験パートナーの行動に対するレスポンスである。実験個体は実験パートナーが報酬である餌を摂餌する際、体軸をパートナーの方に向け、振り返るような行動をみせることがわかった。この行動は先行研究で示された魚類が対象に注意を向ける際の行動と類似している。これらのデータはこれまで得られていたデータとコンバインドし、ジャーナルの査読下にある。また種間比較に必要な対象魚種の系統樹作成を並行して行った。本課題は2019年度後期に採択されたこと、新型コロナ騒動の中で一部の研究計画を遂行できなかったことから、これ以上の成果は上げられていない。しかし、これらの実験系を発展することでさらなる進展が見込めるだろう。
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