研究課題
研究活動スタート支援
寄生者による宿主操作は、宿主の行動を様々な様式で改変します。今回の理論研究では、寄生者による宿主操作が、生態系全体の、被食者・捕食者の個体数のバランス(構造)にいかに寄与するのかを調べた。特に、宿主操作に伴って、宿主の捕食傾向(選好性など)にさまざまな変化がフィードバック効果によって生じうる可能性がある。この問題に対して本件は、行動・進化・生態の観点から取り組んだ。
数理生物学
寄生者による宿主操作は、宿主という外部の生物学的構成を寄生者が改変するという「延長された表現型」の非常に重要な一例として、進化生物学では古くから重要課題であるとされてきた。本研究はその宿主操作が、生態系の構造にまで影響を与えることを理論的に研究するものであり、生態系生態学と進化生物学を結びつけるという意義がある。また、宿主操作は社会的認知度も高く、本研究の遂行は、科学コミュニケーションの題材としても意義がある。