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2020 年度 実施状況報告書

超広視野2光子顕微鏡を用いた大脳新皮質運動野における領域間情報処理機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K23772
研究機関東京大学

研究代表者

寺田 晋一郎  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (40847274)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2022-03-31
キーワードシステム神経科学 / 脳計測科学 / 2光子イメージング
研究実績の概要

本年度は、前年度までに明らかにしたSI-ET(自発レバー引き―外発キュー誘導性レバー引き)課題遂行時のマウスM2, M1細胞集団活動の活動ダイナミクスについてさらに詳しく調べるため、回路内での情報の変遷や、その上流、下流についてのイメージングを実施した。
まず、M2集団神経細胞を対象とした慢性2光子イメージングを行い、同一細胞の情報表現の日をまたいだ変化について調べた。その結果、M2には課題種別特異的な情報を安定的に表現する一部の細胞が存在し、その細胞が課題種別依存的な細胞集団情報表現を支えていることを明らかとした。さらに、M2からM1への情報の流れを明らかにするため、M1投射M2軸索(M2→M1軸索)の軸索イメージングをM1第1層にて実施した。その結果、M2→M1軸索はM1とほぼ同様な情報表現を持つことが明らかとなり、情報の事前選択が行われていることが明らかとなった。また、これら経路の上流として運動視床からM2へと投射する軸索のM2第1層でのイメージング、M1から脊髄へと投射するM1皮質脊髄路細胞のイメージングをそれぞれ実施し、M2同様の高い文脈依存性活動とM1第2/3層よりさらに収斂した文脈非依存性活動をそれぞれ見出した。
上記結果を合わせ、運動野における開始キュー依存的な集団情報表現について入力から出力まで密接に関係した5つの構造を追って明らかにすることを本研究では成功した。これら結果は論文へとまとめ、投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定されていた実験は順調に遂行された。一方、コロナ禍に伴う一時的な実験の中断があり、論文の出版にまでは至らなかった。

今後の研究の推進方策

光遺伝学を用いることで、M2-M1間の文脈非依存的情報処理についてその因果関係を明らかにするとともに、現在投稿中の論文について出版する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染症の蔓延防止のために発出された緊急事態宣言により、実験の中断を余儀なくされ、一部実験の予定が遅れたため。次年度使用額は論文の出版にかかる経費として使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] A small-scale robotic manipulandum for motor control study with rodents2021

    • 著者名/発表者名
      Inoue Takahisa、Terada Shin-Ichiro、Matsuzaki Masanori、Izawa Jun
    • 雑誌名

      Advanced Robotics

      巻: 35 ページ: 898~906

    • DOI

      10.1080/01691864.2021.1912637

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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