研究課題
研究活動スタート支援
本研究は、遺伝・環境相互作用に起因する精神疾患発症脆弱性の性差構築の分子神経メカニズム解明を目的とした。ストレス脆弱性に関わるエピジェネティクス制御分子のヒストンリジン脱メチル化酵素(KDM5C)に着目し、KDM5Cによるストレス脆弱性の性差構築のメカニズム解明を試みた。本研究により、思春期におけるKDM5Cを介したダイナミックなエピゲノム変容がストレス感受性の性差構築に関与する成果を得た。
神経化学
様々な疾患リスク要因の性差は知られているものの、診断や治療法に対する性差はほとんど考慮されていない。つまり、発症機序・病態生理には性差が存在するものの、治療法は同じであるという矛盾が生じている。特に、ストレス脆弱性の性差構築の分子神経基盤については、これまで実証科学的研究がほとんど行われてこなかった。本研究成果により科学的根拠を提示することができ、個体の機能低下の制御にむけた基盤技術の開発が期待できる。また、将来的にストレス性精神疾患に対する個別医療・性差医療に貢献できる可能性がある。