研究実績の概要 |
自閉症(Autism spectrum disorder, ASD)関連遺伝子CHD8の変異型マウスにおける神経機能異常が脳外部環境により導かれることを、並体結合実験から見出した。この変化もたらす血液含有因子を同定するため、CHD8変異型マウスの脳血管内皮細胞に着目し、その網羅的遺伝子発現解析を行った。変動遺伝子の上流解析により関与が示唆されるレセプターを探索し、脳血管内皮細胞に感染するアデノ随伴ウィルスにより機能阻害実験を行った。候補分子の発現を抑制するウイルスベクター作製してCHD8変異マウスに投与したところ、一部の候補分子において同マウスのASD関連症状が改善される結果が得られた。このことから、脳血管が脳外部環境から受容するシグナル伝達がASD様行動を誘導する分子メカニズムの一端が明らかとなった。
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