研究課題/領域番号 |
19K23796
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
岡田 卓哉 富山大学, 学術研究部工学系, 助教 (70848613)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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キーワード | broussonetine N / 二環性イミノ糖 / 構造―活性相関研究 / グリコシダーゼ阻害剤 |
研究実績の概要 |
クワ科植物から単離構造決定された broussonetine N はグリコシダーゼ阻害活性を筆頭に優れた薬理活性を示すことが知られている。加えて、本アルカロイドは4連続不斉中心を含む非常に興味深い構造を有している。しかし、本アルカロイドの合成例は未だ報告されていないのみならず、絶対立体配置に関しても未決定である。 本研究では broussonetine N の初の全合成並びにその誘導体の効率的かつ柔軟な合成経路を構築することで各種グリコシダーゼ阻害活性に関する構造―活性相関研究を実施し、医薬品開発研究に応用可能な分子の創出を目指すことを目的としている。このように誘導体の効率的かつ柔軟な合成も視野に入れた独自の合成経路を立案、実現できれば、ピロリチジン型二環性イミノ糖類を新規グリコシダーゼ阻害剤として創製できるだけでなく、創薬研究の発展にも繋がることが期待される。 当初、計画した合成経路に基づき、初の broussonetine N の全合成を試みたが、保護基の選択をはじめとしたさまざまな問題が生じた。これらの知見を基に新たな合成経路を設定した結果、broussonetine N の母核構造である二環性ピロリチジン骨格を構築することに成功した。 今後、官能基変換を含む数工程を経て、初の broussonetine N の全合成を達成するのみならず、本誘導体の合成、さらにグリコシダーゼ阻害活性評価を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、計画した合成経路には不備があったものの、broussonetine N の初の全合成を目指し、速やかに新たな合成経路を設定、そしてその妥当性を検証した結果、broussonetine N の母核構造であるピロリチジン骨格を構築することに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
今後、broussonetine N の初の全合成を目指し、残り数工程の官能基変換を行うだけでなく、本誘導体にも応用可能であるか検討する予定である。合成した誘導体に関しては速やかにグリコシダーゼ阻害活性評価を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度では broussonetine N および本誘導体の効率的かつ柔軟な合成経路を構築するため、当研究室で所有していた試薬、溶媒等を用いて研究を進めた。その結果、経費を大きく削減することができた。したがって、翌年度では合成経路が確立でき次第、スケールアップをして研究を進めるため、合成するための試薬、溶媒等、さらにはグリコシダーゼ阻害活性評価を行うために十分な経費を充てる予定である。
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