研究課題
研究活動スタート支援
心筋梗塞後心不全発症機構の解明を目的に、新たな炎症関連免疫細胞の探索、及びその機能解析を行った。マウス心筋梗塞モデルにおいて、傷害を受けた心臓ではTGF-β3やGARPを発現する、新規ミエロイド系細胞サブセットが浸潤していることが明らかとなった。また抗TGF-β3抗体が、心筋梗塞後心不全発症を予防することが見出された。今後は、ミエロイド細胞におけるTGF-β3やGARP欠損マウスを用いて、心不全発症機構における役割を検討する予定である。
分子心臓病学
心疾患は我が国の死因別死亡率の第2位を占める。また、超高齢社会を迎えた我が国では、心不全パンデミックと称されるように、心不全患者が急増している。現在の治療を以てしても、心不全は予後不良の病態であるため、新たな心不全発症予防法の確立が重要である。本研究では、心筋梗塞後の心不全発症過程に、これまで知られていなかった炎症関連免疫細胞が関与する可能性を見出した。本研究成果は、新たな心不全治療標的の提唱に繋がると期待される。