申請者は、レプチンによる腎臓のスフィンゴ糖脂質発現変化を介した糖尿病性腎症の病態形成・増悪メカニズムの解明を目的に本研究を遂行した。レプチンは、少なくとも腎臓のレプチン受容体に直接作用することでスフィンゴ糖脂質の発現を変化させるのではなく、脳のレプチン受容体を介した間接な制御により腎臓の糖脂質発現を変化させていることが強く示唆された。メタボリックシンドロームなどの肥満が基礎状態にある疾患においては、高レプチン血症が誘導されており、それに伴う過剰なレプチンシグナリングが腎臓の糖脂質発現を変化させ、浸潤マクロファージに作用することで炎症が増悪し、糖尿病性腎症の病態形成に関与することが示唆された
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