近年、受容体型転写因子であるアリル炭化水素受容体(AhR)のアゴニストが、乳がん腫瘍様塊の形成を顕著に抑制することが報告された。しかし、その詳細な分子機構については未だ不明である。本申請課題では、AhRアゴニストによる乳がん腫瘍様塊の形成抑制には、AhRにより調節される何らかの遺伝子の発現変動が重要であると仮定し、網羅的な遺伝子の発現変動を解析した。その結果、AhRアゴニストにより細胞周期の調節に重要なcell division cycle 20(CDC20)がAhR依存的に減少することを見出した。
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