• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

GnRH産生ニューロンの機能状態と微細構造の変化を繋ぐ新たな相関顕微観察法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K23818
研究機関旭川医科大学

研究代表者

森永 涼介  旭川医科大学, 医学部, 助教 (60845733)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2021-03-31
キーワードGnRH / 視床下部 / ゴルジ装置 / 分泌顆粒 / 相関顕微観察法
研究実績の概要

2019年度では当初の計画に従い、多重蛍光免疫染色により神経分泌細胞であるGnRHニューロンの局在の検索およびゴルジ装置の形態解析を行った。共焦点レーザー顕微鏡による観察および立体再構築により、GnRHニューロンの視床下部での局在やゴルジ装置の立体構造を明らかにした。次にGnRHニューロンの活動亢進時および抑制時のゴルジ装置形態変化を解析をするために、去勢刺激およびエストロジェン投与刺激をそれぞれ行った。しかし、それぞれの刺激実験群において、GnRHニューロンに神経活動亢進を示すFos蛋白の発現変化は認められず、ゴルジ装置の形態変化も認められなかった。刺激実験時にゴルジ装置に形態変化が認められない点やGnRHニューロンの局在する範囲が狭く非染色下では同定しにくい点から、今後の走査型電子顕微鏡による観察にGnRHニューロンを用いるのは困難であると考えた。そのため、より同定しやすい神経分泌細胞としてVasopressinニューロンおよびOxytocinニューロンを目的細胞とし研究を継続した。これらニューロンは広い範囲に分布しており非染色下でも同定しやすいため、走査型電子顕微鏡における観察への移行も容易であると考えられる。まずGnRHニューロンと同様に多重蛍光免疫染色による解析を行い、VasopressinニューロンおよびOxytocinニューロンの局在とゴルジ装置の形態を明らかにした。またこれらニューロンの刺激実験として高浸透圧および低浸透圧食塩水の腹腔内投与を行った。これらニューロンのFos発現は、高浸透圧食塩水の場合は増加し、低浸透圧食塩水の場合は減少した。次年度ではこれらニューロンを目的とした研究を継続し、ゴルジ装置の形態変化の解析および走査型電子顕微鏡による観察を行い相関顕微観察法の確立をする予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画ではGnRHニューロンを用いて新たな相関顕微観察法の確立を行う予定であったが、GnRHニューロンは狭い範囲に局在しており、非染色下では同定しにくい点やGnRHニューロンの刺激実験によるゴルジ装置の形態変化が認められていない点から今後の走査型電子顕微鏡の観察への移行が難しいと考えた。相関顕微観察法の確立を速やかに行うために、より同定しやすい神経分泌細胞であるVasopressinニューロンおよびOxytocinニューロンを目的の細胞とし研究を継続した。現在、多重蛍光免疫染色によりそれぞれのニューロンの分布やゴルジ装置の形態を明らかにしており、また高浸透圧食塩水および低浸透圧食塩水の腹腔内投与実験によりこれらニューロンにFos発現が変化していることも明らかにしている。

今後の研究の推進方策

2020年度では、まず高浸透圧および低浸透圧食塩水腹腔内投与による刺激実験を継続して行うことで、VasopressinニューロンおよびOxytocinニューロンのゴルジ装置の形態変化を解析する。この刺激実験と平行して相関顕微観察法の確立を行う。これらニューロンは広い範囲に分布するため、非染色下でも同定しやすく、速やかに走査型電子顕微鏡の観察に移行できると考えられる。これらニューロンで相関顕微観察法を確立できた際は、当初の計画に戻りGnRHニューロンでも同様に相関顕微観察法による観察を行う。

次年度使用額が生じた理由

2019年度より現職場に着任しており、新たに研究環境のセットアップする必要があったが、このセットアップに時間を要し研究が遅延してしまった。また、COVID-19の流行により学会の中止や研究の縮小を余儀なくされ、旅費の支出がなくなったともに、物品費の支出も減少した。

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi