研究課題
JIAの一部の症例は乳児期に発症し、自己炎症性疾患との鑑別が困難で内科的治療への反応が悪く、難治性の症例が多い。その発症要因として遺伝的背景の影響が強いと考えられている。研究者は、JIAとして診断されていた10歳女児のエクソーム解析を行い、IL-1レセプターアンタゴニストの欠損により起こる、常染色体劣性遺伝形式の自己炎症症候群の1つであるDIRA(deficiency of the interleukin-1-receptor antagonist)と診断した。DIRAは生後1か月以内に重篤な膿疱症、骨髄炎を起こすが本症例はJIAとしてステロイド治療が行われており、臨床的に軽症である原因を解析したところ患者の変異体(R26X)をHEK-T細胞にトランスフェクションし、C末を認識する抗体でウェスタンブロッティングを施行したところWTのIL-1RNよりもsmall sizeのバンドを検出し2nd メチオニンからのreinitiationが起こっていること、またmutant(R26X)を含んだFusion proteinはIL-1刺激を抑制していることを示し、これによりlate-onsetの臨床経過を示したと考えられ、論文発表した(Moriya K et al. J Clin Immunol. 2020 Mar 17. doi: 10.1007/s10875-020-00770-1)。また、2021年度は、難治性JIAの患者10家系においてエクソーム解析により、既知の遺伝子としてCTLA4ハプロ不全症、非典型的な経過を呈したLRBA欠損症(論文受理)、さらにはJIAもしくはSLEを呈した3家系において新たな原因遺伝子を同定した。現在機能解析を行い、SLEやJIAとの関連についてメカニズムの解析を継続している。
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Front Immunol
巻: 12:677572 ページ: 677572-677578
10.3389/fimmu.2021.677572.