LRRC8ファミリーは、2014年と比較的新しく機能が明らかとなったタンパク質で、細胞膨張を感知して活性化する容積感受性陰イオンチャネルの構成因子として同定されたものの、どのようにして細胞膨張を感知するのか、どのようなヘテロ多量体を形成するのかといったメカニズムも未だ決着に至っていない。また、LRRC8ファミリーのうちLRRRC8Dアイソフォームは抗がん剤のシスプラチンの排出に関わっており、LRRC8Dの機能を抑制することががん治療への応用につながる可能性が期待されている。そのため、今回決定したLRRC8Dの構造情報はLRRC8の活性化能やシスプラチンの排出能の理解に貢献することが期待される。
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