研究課題
研究活動スタート支援
百日咳菌は貧栄養状態となる自然環境下では生育できないとされている。本研究では百日咳菌が環境中の原生生物と共存することを想定し、原生生物依存的な百日咳菌の増殖機構を解析した。その結果、百日咳菌はアメーバに貪食される一方で、アメーバ由来の代謝産物が、百日咳菌の貧栄養下における増殖を補助していることを見出した。さらに、アメーバ以外の原生生物も百日咳菌の増殖を補助することが確認された。
細菌学
本研究では、百日咳菌が原生生物依存的に生存し増殖することが明らかとなった。これは百日咳菌が自然環境中において哺乳類宿主以外の微生物と共存している可能性を提示する成果であり、百日咳菌が自然環境下では生存できないとするこれまでの考えに一石を投じるものである。あらたな百日咳菌の生存様式を解明することは、増加する百日咳を制御する方法を模索する上で重要な知見となり得る。