研究課題
研究活動スタート支援
上皮間葉転換(EMT)は,正常細胞では個体発生や傷の修復過程で起こる現象であるが,腫瘍細胞においては,治療抵抗性に通ずる様々な細胞内変化を引き起こし悪性度進展に関わる現象として知られている。本研究はまず,正常細胞EMTにおいてミトコンドリアの酸化的リン酸化レベルが亢進することを明らかにし,さらにその分子メカニズムとしてミトコンドリア外膜タンパク質の一種が関与しうることを示唆するデータを得た。
分子生物学
癌の悪性度進展に上皮間葉転換が深くかかわることが知られている。本研究では,正常細胞における上皮間葉転換を利用し,ミトコンドリア内代謝における変化を見出し,さらにその分子メカニズムを明らかにする手がかりとしてミトコンドリア外膜タンパク質を同定した。今後,この分子の癌細胞EMTにおける意義を明らかにすることで,国民病といわれる癌に新たな治療法を提案しうる。