本研究では、AhRノックアウト(KO)マウスの回盲部における腫瘍発生が、Enterotoxigenic Bacteroides fragilis (ETBF) の投与により促進されるか否かについての解析を行った。ETBF投与により、AhR KOマウスの死亡率は上昇した。また先行研究と異なりETBF非投与のAhR KOマウスでは病変が発生せず、発生率が低下していたが、ETBF投与のAhR KOマウスではその2-3割程度に顕微鏡的および肉眼的な病変を認めた。ETBF投与は腸管の炎症反応を惹起しマウスの死亡率を上昇させるが、同時にその炎症反応により低下した腫瘍発生率を回復させることが示唆された。
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