近年、がん治療に免疫チェックポイント阻害剤が用いられており、治療効果が従来の治療法と比較して有効であるとされた。しかしその一方で効果が限定的、副作用の問題など解決すべき課題が残されている。我々はこれまでに2 型糖尿病治療薬のメトホルミンと抗PD-1抗体を併用することで相乗的な抗腫瘍効果を示すことを見出したが、詳細な分子メカニズムについては不明な点が多い。この機序解明は今後の免疫療法の発展にも重要である。本研究課題はメトホルミンが誘導する抗腫瘍効果の分子メカニズムの詳細部分を明らかにしたものであり、今後の免疫療法の発展のために重要な基礎的知見を提供することから、社会的な貢献は大きいと考えられる。
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