グリオブラストーマは発症頻度の高い頭蓋内腫瘍のひとつであり、再発性が高く、患者の余命も1年半程度と極めて短い。これまでに、網羅的な解析法などでグリオブラストーマの悪性化因子の探索が行われているが、その同定に至っていない。本研究では網羅的解析法では検出できずに見過ごされてきたmRNAのアセチル化に着目して解析を行ったところ、mRNAのアセチル化を担う酵素であるNAT10がグリオブラストーマの幹細胞性(がん患者の予後を決定する性質のひとつ)を制御することが明らかになった。本研究を足がかりに、他の疾患におけるRNAアセチル化破綻による病態制御解明につながることが期待される。
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