• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 研究成果報告書

KRAS変異固形癌に対するSHP2阻害剤の臨床応用への基盤解明

研究課題

  • PDF
研究課題/領域番号 19K23909
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0901:腫瘍学およびその関連分野
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

加納 嘉人  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (10633125)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2022-03-31
キーワードKRAS / SHP2阻害 / Q61変異 / クリニカルシークエンス
研究成果の概要

KRAS遺伝子は肺癌や膵癌などの難治性癌においてその変異率が非常に高いものの、その立体構造等から特定の変異型以外では治療標的にはなり得ていない。近年申請者らは世界に先駆けて発癌性ホスファターゼであるSHP2がRASチロシンリン酸化を厳密に制御し、SHP2阻害がKRAS変異のある膵癌や肺癌で抗腫瘍効果を発揮することを示した。この結果を基盤とし、KRASQ61Hを有する肺癌や膵癌モデルにおいてSHP2阻害剤が抵抗性を示すことを明らかとした。Q61H変異ではチロシンリン酸化によりRAF結合・下流シグナルに与える影響は認めず、SHP2阻害剤を投与しても治療的効果が限定されると考えられた。

自由記述の分野

臨床腫瘍学

研究成果の学術的意義や社会的意義

SHP2は脱リン酸化酵素として初のがん遺伝子であり、機序は不明ながらKRASシグナルに深く関与する一方で、KRASと同様に長らくundruggable targetと考えられていた。しかし近年SHP2に対する低用量かつ経口投与可能な薬剤が開発されている。今回申請者はKRASとSHP2を直接関連づけるメカニズムとしてKRASリン酸化モデルを提唱した。さらに特定の変異型に対するSHP2阻害の感受性の違いを明らかとした。SHP2阻害剤は現在Phase I試験中であるがKRAS変異型による感受性の差を考慮した臨床試験のデザインが必要であり、今後への提言としたい。

URL: 

公開日: 2023-01-30  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi