研究課題
研究活動スタート支援
本研究課題では、転移性脳腫瘍におけるグリア細胞の関与を検討するためのアッセイとして、グリア細胞同士の相互作用を保ったまま1ヶ月以上の長期間に渡り安定的に培養することが可能なMGS法(Mixed- glial culture on soft substrate)を開発した。この培養法を用いて、転移性脳腫瘍におけるグリア細胞に重要な因子を薬剤スクリーニングにより網羅的に探索した結果、脳転移微小環境におけるがん細胞の運命を制御するアストロサイトの膜タンパク質Xを同定することに成功した。
腫瘍生物学
これまでの転移性脳腫瘍研究では適切なin vitroモデルが存在しておらず、マウスを用いたin vivo研究により転移性脳腫瘍の分子メカニズムの解明が行われてきた。そこで、本研究課題で開発したMGS法により、in vitroにおいて脳転移微小環境を模倣することが可能となり、薬剤スクリーニングなどのハイスループットスクリーニングを行うことが可能になった。これにより、極めて予後不良である転移性脳腫瘍の根治療法へとつなげることができると考えられる。