研究課題
RUNX1-RUNX1T1-AML細胞株であるKasumi-1、SKNO-1を用い、好中球エラスターゼの一つであるPRTN3のshRNAを導入し同遺伝子をノックダウンした。PRTN3欠失細胞において細胞周期のG1停止を認め、有意にアポトーシス細胞が増加することを確認している72時間の時点において、両細胞株よりRNAを抽出しトランスクリプトーム解析を施行した。コントロール細胞と比べて、PRTN3欠失細胞ではRas蛋白シグナル伝達制御に関わる遺伝子群の有意な発現低下を認めた。さらにRT-PCRにより発現を解析し、PRTN3欠失Kasumi-1, SKNO-1両細胞株において有意にRHOG, LIMK1遺伝子の発現低下を認めた。Kasumi-1, SKNO-1両細胞株においてウェスタンブロットにより蛋白発現の変化を解析し、PRTN3欠失細胞においてMAPKリン酸化の抑制を認めた。これら結果から、PRTN3高発現がRHOG,LIMK1発現亢進を介してRasシグナル伝達亢進を起こし、MAPKリン酸化、細胞周期進行を引き起こす経路が示唆された。in vitroで証明されたPRTN3ノックダウンによる細胞株の生存抑制効果について、さらに、MLL-AF9導入マウス白血病モデルを用いてin vivoでの解析を行った。PRTN3をノックダウンしたMLL-AF9白血病細胞移植モデルは、コントロールと比較し、有意に生存期間の延長を認めた。
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