研究課題/領域番号 |
19K23912
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
川島 直実 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (80844844)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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キーワード | 急性骨髄性白血病 / CBF-AML / 好中球エラスターゼ / セリンプロテアーゼ / PRTN3 |
研究成果の概要 |
AML患者骨髄の遺伝子変異・発現解析により、CBF-AMLおよびNRAS変異を有するnon-CBF AMLにおいてセリンプロテアーゼ遺伝子の一つであるPRTN3が高発現していることを明らかにした。PRTN3を欠失させたCBF-AML細胞株では、72時間で細胞周期停止を認めアポトーシスに至ることを見出した。これらの細胞のトランスクリプトーム解析により、PRTN3高発現がRasシグナル伝達亢進、MAPKリン酸化、細胞周期進行を引き起こす経路が示唆された。白血病マウスモデルにおいて、PRTN3欠失群で生存期間の延長を認め、同分子がAMLの維持・増殖に必須な蛋白であることを明らかにした。
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自由記述の分野 |
血液内科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CBF-AMLはAMLの中でも予後良好群とされるが、現行の治療法では約40%の患者が再発を来す現状は克服すべき課題である。CBF-AMLは染色体異常から生じるキメラ融合分子が白血病発症に関わると報告されているが、その発症、治療抵抗性獲得機序については十分明らかでなく、その解明とともに新規治療法の確立が望まれる。 本研究では、難治性CBF-AML患者検体から新規に同定したセリンプロテアーゼ遺伝子PRTN3の機能解析により、AMLの維持・増殖に関わる既報にない機序が示唆された。この成果から、同分子が新規のAML治療標的として今後治療法開発につながる可能性があり、臨床的観点からも大きな意義がある。
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