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2020 年度 実績報告書

NGSを用いた膵発癌・転移に関わるMicrobiomeの解明とその治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K23918
研究機関九州大学

研究代表者

阿部 俊也  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (20722028)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2021-03-31
キーワード膵癌 / microbiome / オルガノイド / 化学療法耐性
研究実績の概要

本研究は、腸内細菌だけでなく、膵癌の発症や遠隔転移に関わる腫瘍内のMicrobiomeを同定し、次世代シークエンサー(NGS)を用いて詳細に解析し、最終的には特定のMicrobiomeを標的とした治療法を開発することを目的とする。
研究計画【1】で腫瘍微小環境中のMicrobiomeの存在を検討するため、ヒト切除膵癌組織やマウスの膵癌組織を収集した。ヒトおよびマウスの膵癌組織から抗LPS抗体を用いた免疫組織化学染色検査を行い、膵癌組織内のMicrobiomeが存在することを確認した。研究計画【2】で膵癌自然発生マウス由来の膵癌細胞株を近交系マウスに同所移植し、腸内細菌叢の変化について評価した。膵癌細胞を同所移植したマウスは、Controlと比較して、糞便内のFusobacterium nucleatum (F.nucleatum)が増殖していることをPCR法で確認できた。
F. nucleatumは膵癌細胞の増殖を促進すると報告されており興味深い。また、腸内細菌叢の変化についてNGSによるメタゲノム解析したところ、膵癌同所移植群でプロバイオティクスとして注目されているAkkermansia muciniphila (A.mucinuphila)の糞便内での減少を認めた。このF.nucleatumとA. muciniphilaは膵癌促進性・抑制性に働くMicrobiomeの候補である。今後はヒトやKPCマウス切除膵癌組織のMicrobiomeを対象にNGSを用いて詳細に解析し、腫瘍内・糞便中のMicrobiomeの相同性を評価する。
研究計画の【3】の段階で必要となるオルガノイドは、既にヒト膵癌切除組織から実験に使用可能なオルガノイド株の樹立に成功している。研究計画【2】で得られた膵癌促進性・抑制性に働くMicrobiomeの候補を用いて研究計画【3】の化学療法耐性に関する検討を行いたい。

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公開日: 2021-12-27  

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