本研究により発芽大豆由来の2次代謝物を分画することによって核小体ストレスを惹起し、がん細胞の増殖を抑制可能な小化合物が含まれる粗分画を同定することができた。この大豆由来の分画は骨肉腫由来の細胞株であるU2OS細胞のみならず、乳がん細胞やユーイング肉腫といった細胞株に対しても核小体ストレスを惹起し細胞死を誘導することが分かった。またこの分画に含まれる小化合物はp53の欠失に関わらず細胞死を誘導した。このことは粗分画中の小化合物が核小体ストレスを惹起しその結果p53の蓄積が生じるため細胞死を引き起こすのではなく、p53非依存的に核小体ストレスによる細胞死を誘導する経路の存在を示唆している。
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