研究対象はがん細胞が持つ特徴の一つ、染色体不安定性です。 染色体不安定性は細胞にとってストレスが大きい現象で、約9割の細胞が死んでしまう事を明らかにしました。一方、約10%の細胞はストレスを克服して生き残り、増殖します。生き残った細胞が持つ特徴や個性を特定し、がん治療の標的にすることを目的としています。 今回の研究成果は染色体不安定性を持つ異数体化細胞が、親細胞と同じように増殖する一方、細胞老化の特徴を併せ持つことを明らかにしました。また、特定の条件下では細胞が脆弱性を示すことが分かりました。各解析結果を統合すると、異数体化細胞は代謝経路を変化させることで周囲の環境に適応していると推測できます。
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