心房細動は、日常診療でよく遭遇する不整脈です。心房細動を発症すると、息切れにより運動能力の低下をきたし、やがて生命を縮める病気である心不全を発症します。心房細動による運動能力低下の機序や心不全発症に関連する因子に関しては明らかにされていません。本研究では、心房細動患者さんを対象に、運動負荷心エコー法や心肺運動負荷試験を用いて、運動時の心臓の形態や機能の変化の評価を行いました。心不全合併の心房細動患者さんでは、心不全を発症していない患者さんよりも運動能力が低下し、さらには安静時及び運動時の左心房の伸び縮み(ストレイン)が低下し、左心房ストレイン低下は心不全や運動能力の低下と密接に関連しました。
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