糖尿病で生じる腎症において機能不全に陥る細胞の一つとして糸球体内皮細胞が知られているが、糸球体内皮細胞に機能不全が生じる病態については十分に解明されていない。本研究ではヒト多能性幹細胞から糸球体内皮細胞を作製することを目的としていた。糸球体発現成長因子を従来の内皮細胞誘導方法に対してDay 7以降の比較的内皮細胞に誘導されている段階で追加すると糸球体内皮細胞の発現マーカー候補であるDKK2が上昇することが分かった。複数の因子は相乗効果があることが明らかとなった。さらに誘導した細胞に関しては、Laminin 512というコーティング剤を用いるとDKK2の誘導効率を上昇させる可能性が考えられた。
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