研究課題/領域番号 |
19K23940
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
仲岡 英幸 富山大学, 附属病院, 診療助手 (30725784)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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キーワード | microRNA / microparticle / Kawasaki Disease / Coronary Artery Lesion |
研究実績の概要 |
in silico解析にて我々が同定した特異的な2種類のmicroRNA(microRNA-145-5p, microRNA-320a)がコントロールする炎症性サイトカインはIL-6とTNFαと推定できており、この炎症性サイトカインを産生するヒト単球/マク ロファージ系のTHP-1細胞を用い、microRNAのトランスフェクション実験を行った。実験前日 にTHP-1細胞を均一に6 well plateに播種し、plate毎に様々な濃度のLipopolysaccharide (LPS)で刺激した状態で、市販のtransfection reagentを用い、特定のmicroRNAをトランス フェクションした。トランスフェクション後の時間経過(刺激直後、2時間後、4時間後、6時 間後、12時間後、24時間後)でwellから順番にトランスフェクションされたTHP-1細胞と培養液を回収し、THP-1細胞からRNAを抽出し炎症性サイトカインのmRNAをリアルタイムPCRで測定し、細胞外へ放出された炎症性サイトカインの蛋白量をELISA法で測定した。その結果、この特異的な2種類のmicroRNAのターゲット細胞は単球/マクロファージであり、その刺激された単球/マクロファージから川崎病に特異的なendothelial microparticleが放出されることを突き止めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画Ⅰはすでに終了し、十分な結果も得られている。
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今後の研究の推進方策 |
川崎病冠動脈瘤破裂の剖検例でmiRCURY LNATM microRNA ISH optimization Kit を用いin situ hybridizationを行い、この特異的な2種類のmicroRNAが大動脈には存在せず、川 崎病血管炎に特有の中小動脈のみにしか存在しないことを確認し、さらに冠動脈病変内の内 膜/中膜/外膜の発現箇所を特定する。また、多臓器でも同様にin situ hybridizationを施行し、 血管内皮細胞より遊離されたEMPsのターゲット細胞/組織を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
川崎病冠動脈瘤破裂の剖検例でmiRCURY LNATM microRNA ISH optimization Kitを用いin situ hybridizationを行い、この特異的な2種類のmicroRNAが大動脈には存在せず、川 崎病血管炎に特有の中小動脈のみにしか存在しないことを確認し、さらに冠動脈病変内の内 膜/中膜/外膜の発現箇所を特定する。また、多臓器でも同様にin situ hybridizationを施行し、 血管内皮細胞より遊離されたEMPsのターゲット細胞/組織を確認する。
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