本研究は血中の細胞外小胞(EV)から、大きさ・密度という物理的特性に基づいて神経由来のEVを分離する手法を開発するものである。大きさ基準の分離法はサイズ排除クロマトグラフィー分画法(SEC法)を、密度基準の分離法はイオジキサノール密度勾配分画法(IDG法)を採用した。 SEC法は従来と同水準の分離能であったが、IDG法の高解像度化に成功し、従来よりも細かく血漿中のEVを分画する事が可能となった。その結果、ひとつの神経由来蛋白が特定の分画中にのみ存在している事が分かった。これは、神経由来EVが「特定の密度・サイズ」を有しており、他の血漿EVと異なる物理的性質を持つことを示していると考えられる。
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