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2019 年度 実施状況報告書

逆流性食道炎と口腔内細菌叢との関連に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K23945
研究機関島根大学

研究代表者

三代 剛  島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (20599427)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2021-03-31
キーワード常在細菌叢 / 逆流性食道炎 / 好酸球性食道炎 / Streptococcus mutans / 16S rRNAシーケンス
研究実績の概要

健常ボランティア、逆流性食道炎患者、好酸球性食道炎患者から唾液(口腔内洗浄液)及び上部消化管内視鏡検査を介した食道炎症部位(健常ボランティアは胃食道接合部口側付近の粘膜)のブラシ擦過を行った。ブラシ擦過検体については、共同研究者である島根大学微生物学教室で準備した選択培地及びBHI培地にブラシごと突刺す形で回収した。選択培地については、齲蝕の主要な口腔内病原細菌であるコラーゲン結合蛋白発現型Streptococcus mutans菌(以下Cnm-SM)の検出について選択的な培地であり、コロニーPCRを行うことでコラーゲン結合型の有無や血清型も同定可能である。またBHI培地で分離培養可能であったコロニーからは、16Sシーケンスを行うことでCnm-SM以外の細菌についても同定可能となっている。現在の所、各々3例ずつの口腔内洗浄液と食道ブラシ擦過サンプルを回収しており(計18サンプル)、Cnm-SMに加えて誤嚥性肺炎や食道癌の発症に関連するといった報告があるStreptocossus anginosusといった細菌が同定されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究実績の概要でも記載の通り、共同研究者である島根大学微生物学教室及び薬理学教室での細菌培養及び検出環境は順調に整ってきており、Cnm-SMはもちろんであるが、全く新規の細菌についても同定可能となりつつある。ただ大学病院という性質上、コモンディジーズである逆流性食道炎患者が当初推定していたものよりも少なく、また昨今の新型コロナウイルス流行による受診控えが起こっていることも重なってしまい、エントリー数自体が予定数を下回っている。つまり検体採取自体が律速段階となっており、今後当科の関連病院へ改めて周知を行い、これらの施設を含めて検体回収を行っていく予定である。

今後の研究の推進方策

上述の通り、引き続き健常ボランティア及び疾患患者での検体採取を進めていく。共同研究者と共に細菌培養や16S rRNAシーケンスを行った上で、当初の予定通りCnm-SMと逆流性食道炎発症との関連及び逆流性食道炎の難治化予測について統計学的検討を進める。また前年度中に検出し得ているStreptocossus anginosusといった新規の細菌についても、やはり疾患発症や難治化との相関を検討していく。これらで有意差を示す優勢菌を逆流性食道炎モデルラットへ直接経口投与を行い、頻用される胃酸分泌抑制薬治療に対して実際に抵抗性を示すか実証を進めていく計画である。

次年度使用額が生じた理由

検体採取に用いる消耗品、内視鏡管内を通過できる擦過用ブラシなどを購入しており、こちらは引き続き本年度も使用予定である。また共同研究者である島根大学微生物学教室及び薬理学教室での培地作成やシークエンス解析に用いる試薬類も、解析を行った検体数が少なかったことより計上していた予算よりも少額となった。本年度はこれらの試薬類、また逆流性食道炎モデルといった実験動物の購入や維持・管理、これらを用いた実験費用が必要となることより、最終的には申請した金額を全て費やすことと考えている。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Prospective multicenter study of the esophageal triamcinolone acetonide‐filling method in patients with subcircumferential esophageal endoscopic submucosal dissection2020

    • 著者名/発表者名
      Shibagaki Kotaro、Yuki Takafumi、Taniguchi Hideaki、Aimi Masahito、Miyaoka Yoichi、Yuki Mika、Ishimura Norihisa、Oshima Naoki、Mishiro Tsuyoshi、Tamagawa Yuji、Mikami Hironobu、Izumi Daisuke、Yamashita Noritsugu、Sato Shuichi、Ishihara Shunji、Kinoshita Yoshikazu
    • 雑誌名

      Digestive Endoscopy

      巻: 32 ページ: 355~363

    • DOI

      10.1111/den.13496

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Gastric foveolar-type adenomas endoscopically showing a raspberry-like appearance in the Helicobacter pylori-uninfected stomach2019

    • 著者名/発表者名
      Shibagaki Kotaro、Fukuyama Chika、Mikami Hironobu、Izumi Daisuke、Yamashita Noritsugu、Mishiro Tsuyoshi、Oshima Naoki、Ishimura Norihisa、Sato Shuichi、Ishihara Shunji、Nagase Mamiko、Araki Asuka、Ishikawa Noriyoshi、Maruyama Riruke、Kushima Ryoji、Kinoshita Yoshikazu
    • 雑誌名

      Endoscopy International Open

      巻: 07 ページ: E784~E791

    • DOI

      10.1055/a-0854-3818

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Retained Rice Cake: A Unique Upper Gastrointestinal Foreign Body: Case Report and a Literature Review2019

    • 著者名/発表者名
      Oka Akihiko、Ishihara Shunji、Mikami Hironobu、Sonoyama Hiroki、Mishiro Tsuyoshi、Tobita Hiroshi、Kawashima Kousaku、Miyake Tatsuya、Ishimura Norihisa、Furuta Kenji、Kinoshita Yoshikazu、Nishina Masayoshi
    • 雑誌名

      Internal Medicine

      巻: 58 ページ: 2485~2494

    • DOI

      10.2169/internalmedicine.2760-19

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A Simple Method for Measuring Adenosine Triphosphate in Acute Cholangitis Patients to Determine the Need for Emergency Biliary Drainage2019

    • 著者名/発表者名
      Mishiro Tsuyoshi、Kishimoto Kenichi、Hamamoto Wataru、Cho Yuumi、Mikami Hironobu、Ikuta Yukihiro、Yamashita Noritsugu、Moriyama Ichiro、Ishimura Norihisa、Sato Syuichi、Ishihara Shunji、Ishiguro Shingo、Kinoshita Yoshikazu
    • 雑誌名

      Internal Medicine

      巻: 58 ページ: 3213~3217

    • DOI

      10.2169/internalmedicine.2569-18

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Helicobacter pylori未感染者の胃底腺粘膜に多発した低異型度胃型腺癌(腺窩上皮型)と腺窩上皮型過形成性ポリープの1例2019

    • 著者名/発表者名
      福山知香、柴垣広太郎、三上博信、泉 大輔、山下詔嗣、三代 剛、大嶋直樹、石村典久、佐藤秀一、石原俊治、長瀬真美子、荒木亜寿香、石川典由、丸山理留敬、九嶋亮治、木下芳一
    • 雑誌名

      胃と腸

      巻: 54 ページ: 265-272

  • [雑誌論文] 【慢性便秘症の診療の進歩】慢性便秘の治療―大腸刺激性下剤の種類とその使い方―.2019

    • 著者名/発表者名
      三代 剛、三上博信、木下芳一
    • 雑誌名

      日本内科学会誌

      巻: 108 ページ: 40-45

  • [雑誌論文] 【特集 機能性消化管疾患:下部 -最新の診断と治療-】下痢を起こす薬剤、便秘を起こす薬剤2019

    • 著者名/発表者名
      三代 剛、石原俊治、木下芳一
    • 雑誌名

      日本臨床

      巻: 77 ページ: 1858-1862

  • [学会発表] 健常ボランティアにおけるプロトンポンプ阻害薬内服時の常在細菌叢変化に関する検討2020

    • 著者名/発表者名
      三代 剛、黒木靖敏、岡健太郎、高橋志達、飛田博史、石村典久、木下芳一、石原俊治
    • 学会等名
      健常ボランティアにおけるプロトンポンプ阻害薬内服時の常在細菌叢変化に関する検討
  • [学会発表] 腹水ADAの測定が診断に有用であった結核性腹膜炎の一例2019

    • 著者名/発表者名
      岸本健一、三代 剛、三上博信、山下詔嗣、原 和志、濱本 航、張 優美、生田幸広、長崎真琴
    • 学会等名
      第111回日本消化器病学会中国支部例会
  • [学会発表] X線による胃がん検診を契機に診断された好酸球性胃腸炎の二例2019

    • 著者名/発表者名
      三代 剛、沖本英子、石村典久、足立経一、石原俊治
    • 学会等名
      第50回日本消化器がん検診学会中国四国地方会
  • [学会発表] H.pylori未感染胃粘膜に腺窩上皮型胃癌と胃底腺粘膜型胃癌が併発した1例.2019

    • 著者名/発表者名
      野々村早弥、柴垣広太郎、古谷聡史、三代 剛、石村典久、石原俊治
    • 学会等名
      第123回日本消化器内視鏡学会中国支部例会

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公開日: 2021-01-27  

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