糖尿病発症の要因としてインスリン抵抗性とインスリン分泌低下が重要である。我々は代償性膵β細胞増殖に寄与する肝細胞由来の液性因子としてSerpinB1を報告しており、本研究では肝細胞におけるSerpinB1の発現調節メカニズムについて検討した。肝臓のSerpinB1の発現は、高度のインスリン抵抗性を示すdb/dbおよびob/obマウスで上昇しており、これらの血清で高値を示すインターロイキン-6(IL-6)は、JAK/STAT3経路を介してSerpinB1の発現を上昇させたことから、インスリン抵抗性下の代償性膵β細胞増殖にIL-6/JAK/STAT3経路が重要であることが示唆された。
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