老化肝星細胞は肝線維化の進行に抑制的な役割を果たすと考えられているが、その特徴については不明な点が多い。TGFβは肝星細胞の活性化を引き起こし、肝線維化進展において重要な増殖因子として知られる。老化肝星細胞の表現型変化の機序としてTGFβに対する反応性の低下が関与しているのではないかと考えた。老化肝星細胞ではSMAD4蛋白量が低下しており、TGFβに誘導されるリン酸化SMAD2/3の核内移行が減弱していることを確認した。さらに、老化肝星細胞におけるSMAD4蛋白の低下は、ERK1/2の亢進に伴うmiR-34aの発現増加によって引き起こされていることが分かった。
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