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2019 年度 実施状況報告書

二次性ガラクトース血症に潜在している新規ガラクトース血症(GALM欠損症)

研究課題

研究課題/領域番号 19K23956
研究機関東北大学

研究代表者

岩澤 伸哉  東北大学, 大学病院, 助教 (30843627)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2021-03-31
キーワードガラクトース血症 / 門脈体循環シャント / GALM欠損症
研究実績の概要

我々はこれまでにガラクトース代謝に関わる酵素であるGALM欠損がガラクトース血症の原因となることを世界で初めて報告した。さらに、GALM遺伝子バリアントの機能解析を行い、GALM遺伝子の病的バリアントデータベースを作成した(Iwasawa S, Kikuchi A, Wada Y, Arai-Ichinoi N, Sakamoto O, Tamiya G, Kure S. Mol Genet Metab. 2019;126(4):362-367. 。この結果、GALM欠損症が高頻度に存在すると推定された。新規にGALM欠損症と診断した症例の一部は、これまで門脈体循環シャントによるガラクトース血症と診断されていた。そこで、門脈体循環シャントなど二次的要因とされていたガラクトース血症に、GALM欠損症が潜在し、比較的多く存在しているのではないかと考えた。
そこで、これまでに先天代謝異常スクリーニングでガラクトース血症と診断され、それ原因精査のために腹部エコーを行い、門脈体循環シャントを指摘されている患者を対象に、これら患者のDNA検体を用いて、GALM遺伝子のダイレクトシークエンスを行い、病的バリアントを両アレルで認める場合はGALM欠損症と診断とすることとした。また、新規バリアントであった場合は、その酵素活性を測定することにより機能解析を行い、病的バリアントであるか判断することにした。
これまでに東北大学病院およびみやぎ県立こども病院と協力を行い、ガラクトース血症から門脈体循環シャントと診断をうけた、患者からDNA検体の提供をうけ、解析に取り組んでいる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ガラクトース血症は、ガラクトース代謝に関わる酵素欠損や門脈体循環シャントなどの二次的要因により起きる。ガラクトース代謝に関わる酵素であるGALM欠損がガラクトース血症の原因となることを世界で初めて報告した。さらに、GALM遺伝子バリアントの機能解析を行い、GALM遺伝子の病的バリアントデータベースを作成した。この結果、GALM欠損症が高頻度に存在すると推定された。
この結果をもとに新規にGALM欠損症と診断した症例の一部は、これまで門脈体循環シャントによるガラクトース血症と診断されていたことを明らかとした。また、みやぎ県立こども病院および東北大学病院から患者DNA検体を収集し、遺伝子解析に取り組み始めている。このため研究はおおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

これまで宮城県立こども病院および東北大学病院からこれまでガラクトース血症と診断され、門脈体循環シャントと診断されていた患者のDNA検体の収集を開始し、DNA解析をすすめている。さらに東北地方各地にある東北大学病院の関連施設から門脈体循環シャントなど二次性の高ガラクトース血症として経過観察をうけている患者、あるいは原因不明のガラクトース血症として経過観察をうけている患者を募集し、多数の患者検体の解析を実施することとする。

次年度使用額が生じた理由

実験試薬は既存のものを使用したために使用予定額を下回った。
解析などの試薬購入のために今後、使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] The prevalence of GALM mutations that cause galactosemia: A database of functionally evaluated variants2019

    • 著者名/発表者名
      Shinya Iwasawa , Atsuo Kikuchi, Yoichi Wada , Natsuko Arai-Ichinoi , Osamu Sakamoto , Gen Tamiya , Shigeo Kure
    • 学会等名
      SSIEM2019
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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