• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

患者由来肺癌細胞の培養技術を用いた、チロシンキナーゼ阻害薬からの逃避機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K23964
研究機関京都大学

研究代表者

辻 貴宏  京都大学, 医学研究科, 医員 (50850046)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2021-03-31
キーワードALK / チロシンキナーゼ / アレクチニブ / 肺癌 / YAP1 / 治療抵抗性 / 初期生存 / 薬剤耐性
研究実績の概要

本研究は、申請者が取り組んできた患者由来肺癌細胞を樹立する技術と、近年神経科学の分野で発達した生体内イメージング技術を融合させ、分子標的治療の初期に癌細胞の一部が分子標的薬治療から逃避し生存する現象を可視化し、克服治療を開発することを目的とした学際的研究である。
今年度はALK陽性肺癌における初期生存因子として同定したYAP1因子の機能解析を行った。機能解析には先に樹立した患者由来癌細胞を用いた。ALK陽性肺がん細胞にALK阻害剤アレクチニブを曝露すると、YAP1が活性化され、抗アポトーシスタンパクMCL1とBCLXLの発現を増加させることでアポトーシスを抑制し、ALK阻害剤治療から逃避することを示した。引き続き、初期生存を可視化し機能解析を行うことを目標とした、癌細胞の生体内イメージングの系を現在開発中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

YAP1の機能解析は当初の予想を超えて早く実験・解析が進み、文献化が行われていた。本研究のもう一つの要である生体イメージングの系も、現在単細胞レベルで経時的に経過を追うことができるようになっており、今年度中の投稿・文献化を目指す。

今後の研究の推進方策

本研究のもう一つの要である生体イメージングの系に関しては、実験系のたちあげはほぼ完了したが、観察・解析が現在進行中である。今年度中の投稿・文献化を目指す。

次年度使用額が生じた理由

昨年度同様、主として物品費として使用予定であるが、本年度は研究発表や研究のための装置利用に移動が必要であり、そのための交通費にあてる予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] YAP1 mediates survival of ALK-rearranged lung cancer cells treated with alectinib via pro-apoptotic protein regulation2020

    • 著者名/発表者名
      Tsuji Takahiro、Ozasa Hiroaki、Aoki Wataru、Aburaya Shunsuke、Yamamoto Funazo Tomoko、Furugaki Koh、Yoshimura Yasushi、Yamazoe Masatoshi、Ajimizu Hitomi、Yasuda Yuto、Nomizo Takashi、Yoshida Hironori、Sakamori Yuichi、Wake Hiroaki、Ueda Mitsuyoshi、Kim Young Hak、Hirai Toyohiro
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 11 ページ: 74

    • DOI

      10.1038/s41467-019-13771-5

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Real-time visualization of brain metastasis in vivo2019

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Tsuji, Hiroaki Wake, Hiroaki Ozasa, Koichiro Haruwaka, Hitomi Ajimizu, Yuto Yasuda, Yuichi Sakamori, Takashi Nomizo, Young Hak Kim and Toyohiro Hirai
    • 学会等名
      AACR annual meeting 2019
    • 国際学会
  • [学会発表] YAP1 mediates initial survival of alectinib therapy in ALK-rearranged lung cancer via pro-apoptotic protein regulation2019

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Tsuji, Hiroaki Ozasa, Wataru Aoki, Shunsuke Aburaya, Tomoko Funazo, Koh Furugaki, Yasushi Yoshimura, Hitomi Ajimizu, Yuto Yasuda, Takashi Nomizo, Yuichi Sakamori, Hironori Yoshida, Mitsuyoshi Ueda, Young Hak Kim and Toyohiro Hirai
    • 学会等名
      AACR annual meeting 2019
    • 国際学会
  • [学会発表] 転移性脳腫瘍の可視化モデル2019

    • 著者名/発表者名
      辻貴宏、和氣弘明、小笹裕晃、進藤麻理子、味水瞳、山添正敏、安田有斗、阪森優一、野溝岳、金永学、平井豊博
    • 学会等名
      第78回日本癌学会学術総会

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi