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2019 年度 実施状況報告書

心筋虚血再灌流障害における自然免疫応答のメカニズムの解明と治療法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K23968
研究機関大阪大学

研究代表者

種池 里佳  大阪大学, 医学系研究科, 特任研究員 (50849015)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2021-03-31
キーワード心筋虚血再灌流傷害 / 自然免疫応答 / Toll様受容体9 / 炎症性サイトカイン
研究実績の概要

1.心筋虚血再灌流障害におけるToll様受容体9の機能解析 マウスから採取した心臓を用いた心筋虚血再灌流障害モデルにおいて、野生型マウス心臓と比較し、Toll様受容体9欠損マウス心臓では、心筋虚血再灌流後、心筋梗塞領域が縮小し、心筋逸脱酵素が減少することが、病理学的、生化学的解析により確認でき、Toll様受容体9は心機能改善だけではなく、心筋梗塞サイズを縮小することが明らかとなった。
2.心筋虚血再灌流障害での炎症反応の解析 上記心筋虚血再灌流障害モデルにおいて、野生型マウス心臓と比較し、Toll様受容体9欠損マウスでは、心筋虚血後、炎症性シグナル伝達の遺伝子発現に差は認めないが、再灌流後炎症性シグナル伝達因子の遺伝子発現、タンパク発現が抑制されることが確認でき、Toll様受容体9が、再灌流後炎症性シグナル伝達を抑制することが明らかとなった。
3.心筋虚血再灌流障害での細胞外ミトコンドリアDNA分解の影響 上記心筋虚血再灌流障害モデルにおいて、野生型マウス心臓では、心筋虚血再灌流時にデオキシリボヌクレアーゼ投与により、細胞外ミトコンドリアDNAが分解され、心筋虚血再灌流後、心機能障害は改善し、その改善が持続し、心筋梗塞サイズが縮小することが生理学的、病理学的、生化学的解析により確認できた。しかし、炎症性シグナル伝達因子の遺伝子発現は、ミトコンドリアDNA分解によって抑制されないことが、生化学的解析により確認できた。以上より、ミトコンドリアDNAがToll様受容体9を介して、心筋虚血再灌流時の心機能増悪、心筋梗塞サイズを拡大するが、炎症性シグナル伝達には寄与していないことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

野生型マウスやToll様受容体9欠損マウスから採取した心臓を用いた心筋虚血再灌流障害モデルにおいて、Toll様受容体9が、心機能や心筋細胞壊死に及ぼす影響を生理学的、生化学的に解析することに成功した。また、そのメカニズムとして、炎症性シグナル伝達因子が関与することを確認した。また、デオキシリボヌクレアーゼを用い、細胞外ミトコンドリアDNAの関与を確認した。

今後の研究の推進方策

1.心筋虚血再灌流障害における炎症反応の解析 野生型マウスやToll様受容体9欠損マウスから採取した心臓を用いた心筋虚血再灌流障害モデルにおいて、心筋組織炎症にかかわる細胞を免疫病理学的に解析する。
2.心筋虚血再灌流障害における細胞外ミトコンドリア分解の炎症反応に対する影響の検討 上記心筋虚血再灌流障害モデルで、野生型マウス心臓に対し、心筋虚血再灌流時にデオキシボヌクレアーゼ投与を行い、心筋組織中の細胞外ミトコンドリアDNAが炎症反応に及ぼす影響を免疫病理学的に検討する。
3.ミトコンドリアDNAによるToll様受容体9の活性化の解析 野生型マウス、Toll様受容体9欠損マウスから採取した初代培養心筋細胞に、心臓由来の精製ミトコンドリアDNAを投与し、ミトコンドリアDNAによるToll様受容体9の活性化や、炎症性シグナル伝達因子の伝達経路を生化学的、病理学的に解析する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] King's College London(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      King's College London

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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