間葉系幹細胞(MSC)の炎症性腸疾患に対する治療効果を確認した.さらに均一な細胞の安定的な供給を目的としてiPS細胞からMSCへの分化誘導と培養を確立した.同様に炎症が疾患を惹起する非アルコール性脂肪肝炎モデルマウスを用い,MSCが肝臓の間質の細胞に対し,抑制的に働くことにより,間質細胞を介した実質細胞障害を回避する新たな機序の詳細を解明し,第107回日本消化器病学会総会の主題演題として報告した.現在は以上の成果を踏まえ,炎症性腸疾患モデルマウスの腸管において間質細胞を介した腸管炎症の軽減機序の解析を行っており,MSCを用いた炎症性腸疾患に対する新規治療確立に向けた基盤の形成が期待される。
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